鍼灸師の佐藤啓史です。
皆さんは鍼灸や漢方薬をはじめとする東洋医学がどういった考え方で身体の不調を治しているのか聞いたことはあるでしょうか?
今回は東洋医学の基本的な身体観の話をしていきたいと思います。
鍼灸をはじめとした東洋医学は自然哲学を基に経験医学として発達してきました。
三千年前から続く時間の中で、万物も人間や動物も自然界の中では同じ法則で成り立っていると考え、宇宙や自然同様、人間の体内の陰陽や五臓六腑の気がバランスよく整った状態を健康と定義します。
その気の定義には陰陽論や五行説があるのですが、今回は触れません。
そして自然哲学の原点に立った治療法や養生法は、表れている症状を無くすのが目的ではなく、自然治癒力を高めることにより身体の中から改善していく根治療法になります。
東洋医学では、心身ともに全く健康な理想的な人はおらず、誰もが何らかの弱い部分を体質的に抱えながら生活をしていると考えます。
それぞれの親から受け継いだ性格や体質が素にあり、〔健康〕のバランスを保っていますが、生活習慣、食生活、仕事、過労や天候などの要因により五臓六腑の〔気・血・津液(しんえき)〕や体調を良い状態に維持するバランスが崩れ、弱いところから症状を訴えます。
この体質として弱い部分を素因と言います。
素因はタイプ別にいくつかに分けられています。
そしてそのバランスの崩れが進むと体の機能や体調のゆがみやひずみを引き起こし、現在の、またこれから来る疲れやつらい症状の原因となり、病気に繋がります。
鍼灸では、その人の素の体質や生活環境、今の症状などを考慮したうえで、経脈の気の流れが悪くなっているところ(阻滞)を元通りの流れに戻す(阻通)ことや、気の少なくなっているところを補い、多くなっているところには取り除く(寫)ようにツボに鍼や灸をして健康に導きます。
つまり、東洋医学は独自の診断学を持ち、西洋医学とは違う物差しで病気を[診て]いて、
お互いに得意・不得意があります。西洋医学では手に負えない病気や、病気ですらないと診断されるつらい症状が、東洋医学では診断・治療できることもあります。
その最大の強みは[治未病]といって、病になる前に回避させる予防医学にあり、ストレスの多い現代において、打ってつけの医学だといえます。
【ちょこっとトピックス】
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お天気に恵まれれば、山頂からムーンロードを見ることができます。
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登り最終 19:30 降り最終 20:00
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